治療の長期化防止策、
矯正治療中の虫歯予防
「矯正治療中は虫歯になりやすい」、これはよくいわれることであり、事実です。矯正装置がついているため、矯正装置と歯の境目、歯と歯肉の間や歯と歯の間など、汚れが溜まりやすい部分に歯ブラシが届きにくく、磨き残しができ、虫歯になってしまうのです。
矯正治療中に虫歯になってしまった場合、虫歯の進行状況によっては矯正治療を中断する必要が出るため、治療が長引くことがあります。
そのようなことにならないよう、当院ではそれぞれの患者さまに合った予防プログラムをつくり、矯正治療中にしっかりと虫歯を予防をできるようサポートしています。
当院の虫歯対策
矯正治療中に虫歯になり、矯正治療期間が長引かないよう、患者さまが月1回メンテナンスで来院されるたびに、染め出しをしてのブラッシング指導、クリーニング、口腔内撮影を行なっています。
ブラッシング指導
患者さまの歯並びや歯の磨き方の癖などを踏まえたうえで、歯科衛生士がその方に合った適切なブラッシングの方法をご指導します。
その際、汚れている部分が一目でわかるよう、汚れに赤い色が付く染め出し液を塗布します。それにより、汚れの付き方とその適切な落とし方がはっきりとわかるため、今後のブラッシングにたいへん役立ちます。
クリーニング
どんなに丁寧にブラッシングしていても、完全に汚れを落としきることは難しいため、とくに矯正装置と歯の境目、歯と歯肉の間や歯と歯の間など磨き残しがちな部分に、少しずつ汚れが溜まってしまいます。
このようにご自分で落としきれない汚れを、専用の器具やフッ素配合の研磨ペーストなどを使って丁寧に落としていきます。汚れが落ちてお口の中がさわやかになるだけでなく、虫歯予防効果を高めることにもつながります。
口腔内撮影
口腔内を撮影することで、矯正装置と歯の境目や、普段なかなか見られない上の奥歯の汚れの付き方などを、目で見て確認できます。ブラッシング指導とクリーニングが終わった後に撮影すれば、どの程度きれいになったか把握できるため、歯の衛生管理がいかに大切かわかります。
撮影は、治療内容や症状をご説明する際にも使います。
唾液検査(カリエスリスク検査)
虫歯は、さまざまな要因が重なり合うことで発症するもので、発症しやすいか否かは患者さまのお口の中の細菌数、唾液の量、緩衝能(中和力)によって決まります。
そのため当院では、患者さまの唾液の質を調べる『唾液検査』(カリエスリスク検査)を行なっています。それにより、虫歯の原因となる要素を総合的に検証し、患者さまに合った虫歯予防プログラムを作成しています。
虫歯を予防するためには、まず「お口の弱点」を知ることです。唾液検査に基づく精度の高い予防プログラムで、矯正治療中の虫歯を予防しましょう!